眠れぬ夜のことば紡ぎ

紡もえが、日記やエッセイを置いています。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

今春、会えない人へ

春はあけぼの。やうやう白くなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲の細くたなびきたる。夜明けとともに流れる涙は、思えど届かぬ恋を思い出させる。ただ匂い立つ春が余計に「ああ、こうあったらなあ」という妄想を掻き立てる。 2020年春。私た…

眠れなくて寂しい

夜布団に潜り込んだ後、ふとどうしても体の中が空っぽに虚しく、寂しくなる瞬間がある。恋人がいるとかいないとかはあんまり関係ない。何か悲しいことがあったわけでもない。ただただ夜が寂しいのか、溜め込んでいた何かが溢れそうなのかわからないけれども…

私の病気と舞台『ラブレター』

3月なのに雪が降った一昨日が信じられないくらい、快晴の今日。あったかい日差しとは裏腹に、冷たい風がびゅんびゅん吹きすさぶ中、劇場へ急ぐ。舞台『ラブレター~さよならきみどりちゃん~』を観に。目白駅からの道中、スーパーの前では自転車がばったばっ…

2020.03.12

最寄り駅のホーム。めずらしく余裕をもって到着、お日様を感じながらはしっこまで歩く。去年の今頃、上京したてほやほやだったあのときの気持ちがふわりと蘇る。春になるとつけたくなるお気に入りの香水が、記憶と一緒にふわ、ふわりと香る。季節が一周した…

2020.03.11

春の陽気だったからか、いつもよりずいぶん早くに目が覚める。あったかいんだなあ、外。っていうのが出なくてもわかる日差し。(「あったかいん」って打ったら「あったかいんだからぁ」が予測変換で出てきた。ちょっと懐かしいじゃん。) 朝ご飯のメニューは…

2020.03.09 1:04am

寝る前は蝋燭をつける。IKEAで買ったやつ。リアルな月の形の照明もあるからそれもつけて、部屋の電気を消す。蝋燭からふわっとバニラの香り。視界が暗い方が香りがよくわかる気がする。暗という字は「やみ」と読むらしい。最近芥川龍之介を読んでて知ったこ…