言葉にすると叶うときいて

読んだ人が「生きていていいんだ」と思える本を作りたいです。
できれば、書店で自分のコーナーを作っていただけるくらい何冊も。 そのコーナーにたどり着けば、どの本を手にとっても自分を肯定できるような。 本を開けば、周りを囲む不安からひととき解き放たれて、明日も生きてみようと思えるような。 そんな本たちを作ることに、命を使いたいと思っています。
なんとなく今日、はっきりとした言葉にしてみようと思って。自分がなんのために生きているのか、書いていくのか。まだ整理できていない部分がありますが、今わかっていることを書いてみます。
私は自分に「生きていていい」と思えないまま、生き長らえてきました。
物心ついたときからそうです。特に10代から20代前半は「生きていていい」と思えるだけの価値が自分にあるのかを確かめたいという気持ちに突き動かされていました。高いハードルを自分に課し、理想の自分に責められながら全力で走るような日々。23歳の時にうつ病を発症し、強制的に足を止められてからも、「走り出せ!」のピストルは鳴り、また走り出しては転び続けました。
今、29歳。だんだん、傷だらけの自分でも自然に歩ける歩幅で進めるようになってきました。 そして、同じように傷だらけになりながら走ったり、転んだり、起き上がれなかったりする人たちから相談を受けることが増えました。
「どうしたら不安じゃなくなる?」
「頑張れないときはどうしたらいい?」
「大事な人が苦しそうなんだけど、私は何をしてあげたらいい?」
私は、自分がした苦しい思いはもう誰も経験してほしくないので、できる限りの言葉を伝えます。 今のところ私が手助けできるのは、たまたま知り合えて、直接手を伸ばしてくれた人たちだけです。
でも生きるのが苦しい人はもっといるんじゃないかと思う。 苦しい時に、人に手を伸ばすのって難しい。怖い。 近い関係性だから頼れないという人もいると思います。「全員を私が救う!」とは思っていません。でも自分の周りより、もう少しだけ手を伸ばしたい。 まだできることがあるような気がするんです。
私は、力になりそうな言葉を、無理のないペースで、やさしく届けることができるのが本だと信じています。
「しんどい時は文字が読めなくなる」という方、いませんか?いる気が、するんですけど……私も、調子が悪いと読めないタイプです。
傷病手当申請の書類の文字が、するするとすべって頭に入らず絶望したことがあります。好きな本を開いてもページが進まず、何度も、何度も戻って文字を辿りなおすことがあります。読めない時は落ち込むけれど、これは「必要な言葉が必要な時に届く仕組み」なのではと思うようになってきました。
「あ、読めない」「調子が悪い」。そう思う時に自然と届く本を、私は作りたいと思っています。
先日、編集をしている親友が「私のペンは人を活かすためにある」と言っていました。 かっこいいです。彼女らしい、大好きな表現です。
私のペンは、きっと「生きていてくれてありがとう」を伝えるためにあります。
苦しみから直接あなたを助け出すことは、私にはできない。けれど、そっと隣にいることはできる。あなたがあなたを抱きしめられるように、言葉を贈ることはできる。
そして私も自分に「生きていていいんだね、生きてくれてありがとう」と言えるように。これからも書き続けて、お守りのような本たちを作ります。その道程で手を取り合う皆さんとの出会いを楽しみに、無理なく動き始めます。
今日言葉にした夢が叶いますように。私がいなくなっても、生み出した言葉が届いて、誰かの力になりますように。
よわいまま光ってる文庫・取り扱い書店さま一覧

はじめまして、紡もえ(つむぎもえ)と申します。都内でライターとして生きながら、『よわいまま光ってる文庫』シリーズを制作しています。
よわいまま光ってる文庫とは
自分を弱いと感じる人や、一時的に弱ってしまった人へ。あなたが今のあなたのまま、「生きていていいんだ」と思えますように。
そう願って作られたのが、『よわいまま光ってる文庫』シリーズです。この本に触れている時間だけでも、あなたの深呼吸をお手伝いできれば嬉しいです。
既刊のご紹介
『もしもし、食べられそうですか』(著:紡もえ)

心に紐づく食の思い出をみつめ、肯定するエッセイ集。 もしもし、食べられそうですか。 あなたの本体は、何が食べたいですか。
『沈む、書く、水面をみつめるーままならない日記集ー』(著:紡もえ、ねむみえり、屋良朝哉(点滅社))

ままならない心身を抱えた著者たちがつづる、
2025年夏の日々。調子よかったり死にたかったり。おまけに「ままならないときQ&A」収録。
取り扱い書店さま一覧
2026年1月6日時点の取り扱い書店さまです。
- 葉々社さま(東京・梅屋敷)
- 本屋イトマイさま(東京・ときわ台)
- タイムトラベル専門書店utoutoさま(東京・志村坂上)
- ブックカフェ・ノームさま(東京・池袋)
- 本と物語ユンスルさま(東京・瑞江)※エッセイ集のみ
- そぞろ書房さま(東京・高円寺)
- 蟹ブックスさま(東京・高円寺)※日記集のみ
- BREWBOOKSさま(東京・西荻窪)
- BOOKSHOP TRAVELLERさま(東京・祖師ヶ谷大蔵)
- 本と酒 鍛治六さま(兵庫・姫路市)
- KMGWBOOKSさま(栃木・宇都宮)
- ネコゼ商店さま(愛知・豊橋市)
- ほんの入り口さま(奈良・奈良市)※エッセイのみ
- 本や学びやmerkkiさま(徳島・徳島市)
- 本と羊さま(福岡・六本松)
- yumegiwa booksさま(オンライン)※エッセイ集のみ
- たいやき書房さま(オンライン&さいたま市のでこぼこ書店内)
随時更新してまいります。ここにお名前があるすべての書店さまのことを大切に思っています。『よわいまま光ってる文庫』だけでなく、あなたに寄り添ってくれる本がきっと見つかる場所です。
店頭、書店さまのオンラインショップの他、『よわいまま光ってる文庫』のオンラインショップでもお求めいただけます。
https://yowaimamahikatteru.stores.jp
おわりに
私は、『よわいまま光ってる文庫』の本で、この本たちが並ぶ書店で、少しでも多くの人が「生きていていいんだ」と思えることを夢見ています。
私は今29歳、うつ病発症から5年になります。少しずつ、やっと死なないでよくなってきたけれど、「生きていていい」と思えない自分の根本は変わっていません。これは病気がわかる前からずっとです。
だから、あなたに生きていてくれとは無理に言えないです。でも、心のどこかで感知してほしいんです。あなたが沈んでいる海とは違う海で、同じように私も沈んでいること。そういう仲間が、たくさんいるであろうこと。遠く感じたり、ひとりのように感じたりするかもしれないけど、ひとりじゃないです。
私たちは、どんな私たちでも生きていていい。その感触を探りながら、どうせ生きるならその軌跡で近しい苦しさを抱える仲間を楽にしたいと思い、筆をとりつづけます。あなたに深呼吸の時間と、救われる日がたくさんありますように。もし生き延びて会えたら、ハイタッチしましょうね。
呪いより祈りを自分に。今日も良い日になりますように。
紡もえ
うつが来たけどたらこスパゲッティが食べたい
今日がその日かどうかは、たいてい起きた瞬間にわかる。
脳みそが夢と現実の間にあって、夢に引っ張られて朦朧とする。現実にいこうとすると強い吐き気がする。夢の空間から出られない、夢の中で苦しい、苦しい、起きたい起きたいと声にならない声で叫ぶ。
それが私のうつの日。そのまま20時間くらい眠りに引き込まれる日もあれば、現実世界に顔半分だけ出して動けない日もある。今日は、後者。
私のうつは後頭部にいるらしい。そこだけがずんと重い。2月は安定していたので、そろそろくるんじゃないかと思っていた。やっほ〜、久しぶりやねえ。君がきている間は、人間のかたちになるのはおしまい。おかえりになるまで、私も好きに過ごします。無理に帰ってもらおうとしたり、人間としてのかたちを保とうと踏ん張ったりすると、彼は長居してしまうのだ。じっと話を聞くしかない。お茶でも出そう。
夜は出かけたい予定がある。それまでに帰るかな。かろうじて起き上がれそうだったら、たらこスパゲッティが食べたい。
冷凍保存
節目の日には、なんとなく文章を書くことにしている。
寂しいとか嬉しいとか、それすら整理のついていない感情を残しておくのもいいかなって。感情も頭に浮かぶ文章もなまもの、だと思う。
3年4ヶ月在籍した会社を卒業した。いろんな職種も、雇用形態も経験した。「卒業した」という言葉が一番しっくりくる状態ができているのは、本当にありがたいことだと思う。新卒の会社を休職期間満了で終え、その後フリーランスとして案件ごとの契約で生きてきた私にとっては、長く同じ場所にいることも、自分で出ると決めて時間をかけてお別れの準備ができることも初めてだった。
こうして書いているとやはり、「誰が読んでも伝わるように」とかいろいろ担保して言葉を選びたくなってしまう。けど今この瞬間やりたいのはそういう真面目なやり方じゃない。
涙が出るほど嬉しいことも、心底憎ましいこともあって、その全部に対しまっすぐに頭を下げたい。掴んだ感触があることも、絶対に理解できなかったことも、ひとりでは生まれなかった。みんなに幸せで健康でいてほしいなあと思う。
この先のなんの確証もないけれど、自分の存在だけはずっしりと感じながら、信じながら、湯船に浮かんでいる。
生きた心地

怖い夢をみた。
よく怖い夢をみる。おばけとかホラーとかそういうのじゃなくて、人生で起こった嫌なシーン総集編が、繰り返し繰り返し再生される感じの夢。内容を詳しく覚えていることはあまりなく、目が覚めた瞬間は、悲しみがじんと染みるような心身の感覚だけが残っている。
今日もそうだった。悲しみに包まれて目が覚める。
冬用に替えたふかふかの寝具はあたたかくて、身体で感じている幸福と、心で感じている絶望との差に混乱していた。「昨日何かあった?」と自分に問いかけながら、うっすらと残っているシーンが現実ではなかったことを確かめる。
大事な人たちにひとりひとり別れを告げられたり、嫌いな人に改めて向こうから嫌いだと言われたりする夢だった。この朝の感覚は、何度繰り返しても全然慣れない。いつもは顔を洗う、ごはんを食べる、などの暮らしの動作をしているうちに消える。それで消えなければ、仕事をしていれば消えていく(私にとって仕事は本当に救い)。でも今日は仕事をしていてもなんとなく感覚が残っていて身が入らない。15時に切り上げて、自分をいたわることにした。
一度眠ろうかと思ったけど、書くことで癒される予感がして、PCに向かう。こうして自分の感覚を言葉にできることに救われている。昔はそういうツールはピアノだったけど、もう昔みたいにぺらぺらしゃべるようには弾けない。また弾けるようになるといいな。Spotifyの「泣きたい」のプレイリストをかける。たぶん泣きたかったのだと思う。現実に何も起きていないのに、夢に泣かされるのは悔しい。でも正しくは、「何も起きていない」じゃなくて、ずっと傷が癒えないまま、傷口を開いてはまた忘れているだけなのだと思う。今日は回復の日。10代の時に思い描いていた大人とは違うけれど、こうやって突然くる回復の日を「お~きたか、よしよし」となだめられるの、いいじゃん。不安と一緒にダンスしてきます。
3:33
不眠が極まって「よし書くか」とブログトップを開いたら、前回眠れなかった時もほぼ同じ時間に書いていた。3時、はまだ深夜感があるけど、4時はもういよいよ朝な気がして焦ってくるのだと思う。
入眠を逃したら、できるだけ気にせず、好きなことをして過ごすようにしている。深刻になってもしょうがないからだ。ほぼ毎日のことなんだから、眠れないと思い悩んでまた眠れなくなるより、楽しんでしまった方がいい。やってやるぜ。読書、小腹満たし、ほかほかカモミールティーでティータイム……。睡眠薬が仕事してくれる日はここまでのどこかで眠りにつく。睡眠薬、おまえは生きてるかい?な日はティータイムしてもまだ目はギラギラ。「楽しんだ方がいいぜyeah〜!」とかもう言ってられず、「手は尽くしたのですが…」と伝える執刀医の面持ちでここに辿り着く。パーリーピーポーだったのに…。
眠れない、今日も眠れない。
3:32
眠れずに静かに考えている。
眠りとの戦歴もそこそこ長くなってきた。もう1万回の夜を越えてきたはずなのに(Aqua Timezじゃないけど)、ちっとも眠りが上手くならない。
Aqua Timezじゃないって書いたけど、あの歌詞はいいよなあ。
愛されたい、でも愛そうとしない
その繰り返しの中を彷徨って
僕が見つけた答えはひとつ
怖くたって傷ついたって好きな人には好きって伝えるんだ
ですよ。中学の時よく聞いてた懐メロ。
しかし28歳になる私は千の夜をこえて愛を伝えるより眠りにつきたい。千回の眠りの経験を今の入眠に活かしてほしい。すごい仕事の話みたいになったね。
なるべく薬に頼りたくなくて3時まで待ったわけですけれども、ついに諦めました。悔しい〜〜。じきに睡眠薬の抗えない眠気がくる。眠ると、考えないようにしていることが全部夢になって再現される。何も見ずに深く、深く潜るような睡眠を得られたらいいのに。